ろくがつ/鳴神夭花
 
骨の音がしていた
肉が刮げ落ちた其処には
生命(いのち)がやっとのことで鎮座している
しがみつきもせず
縋ることもせず
そうするのが正しいと言ったような様子で

触れる度に
骨というのはなめらかであるのだと
教えられている
指先から脳の奥までに響いていく

皮一枚、
その表現は正しくない

演奏をするような凹凸に
笑うことが出来たならよかった
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