鬼灯の袋が紅く色づく頃/こたきひろし
 
嫁ぎ先の家で披露の宴をあげた

その時代はそれが普通だった

そうなっては私にはどうする事もできなかった
姉は家から完全にいなくなってしまった

産み月が近付いて来ていたある日に姉が里帰りしてきた

私は相も変わらずまだ子供だった
子供だった筈なのだ
子供だった私がそばにいたのに
姉は母親に自分の乳房をさらけ出して見せていた
いったいあれは何だったんだろう

私は盗むように姉の乳房を見た
むかしは姉の乳房を見るのは平気だったのに
そうはいかなくなった自分がいたのだ
その時
不覚にも私は股間に異変を感じた

それは袋が紅く色づいた鬼灯の袋を裂いて
紅く熟した実を見せつけられるような
甘美な陶酔を覚えた
そして興奮を否応なしに運んできた

それは紛れもなく
私が自分の姉に性を強く意識した瞬間だった

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