道楽者/ただのみきや
 


着くずした着物からうなじ
蛇行した時間と時間の接する辺り

 詩人より
 詩人の業が残した言葉が怖ろしい
 祟りも呪いもしないが
 感染して不治の病を引き起こし
 ひとりひとり異なる変異を遂げる

浮かび上れば三日月湖
風の即興 叢に囲まれて

町を造る材料を探して歩く
わたしはわたしを拾い集める



絶えずバランスを崩しているから
絶えずバランスを取ろうとするのか

変えようのない重心がグラついて
世間の愛撫を求めて愛嬌を見せる

重心なんて忘れてしまえたら
どこかへ転がって往けるだろうか



その男の子と女の子は溶け混じり一本
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