はしりがきの春/田中修子
人はまちにはいないだけで
うちのなかで愛し合っているのかな。
こんなことおもっては
きっと叱られてしまうろう。
この頃は夜の青も
梅の香りに誘われて
月も星もきっと
シャライヤシャライヤ
きらきらきらきらパチランパチパチ。
けやき並木も天体も
枝と光を差し出して
太古の舞台の壮麗さ。
「ブルーグレイのしかく」
しがひとたびはびこれば
ひとはお祭り騒ぎだが
しなどいつもそばに潜んでいるのだが
ひとはおまつりさわぎだな。
おとうとからあずかりました
ブルーグレイのしかくがありました
首をしめたいや吸い散らかしたか
紅白の梅の花びら
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