レンギョウの妖精/
丘白月
好きだった人の家
レンギョウの生け垣の向こうに
あなたの部屋が見える
いつも通り過ぎて
部屋の窓を見てた
また春が来て
レンギョウが私の想いを
まるで知っているように咲く
香りをいただいて
想いを落としていく
黄色くて長くて
鳥の羽根のように美しい
レンギョウの花
釣り鐘のような花の奥から
恥ずかしそうに
妖精が顔をのぞかせてる
レンギョウの色は
一年待った想いの色
生け垣を挟んで
あなたと目が合う
肩に花を乗せたあなたは妖精
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