ジャスミンの妖精/
丘白月
陽に透ける長い黒髪に
ウエディングドレスのような
白いジャスミンを編んで飾る
この香りがどうかあの人に
とどきますようにと
ジャスミンの茎を軽く噛んで
目を閉じて祈る
桃色の蕾が香りを閉じこめて
明日もあさっても
毎日咲こうとしている
誰かの祈りが叶うまでずっと
星のような花びらをひらく
妖精は香りをあつめて
香水を作りそっと渡す
通り過ぎてゆく
少女たちの
ポケットに
カバンに
心の中に
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