冬の夕焼け/丘白月
時計の針が
あなたと私の間に
さよならを積み重ねていく
もう少し夢を見ていたいわ
命はあっという間だから
見つめていたいだけ
ぬくもりが時間の隙間に
隠れていくようでこわいの
夢じゃないの涙が温かいから
あなたは虹ように
現れては消えて
涙を拭いてくれる
小さな木の実のように
丸くなっている雀が
震えながら恋人を待つ
いつでも どこでも
用意されているのは
二人分の居場所
小枝の隙間に漏れて落ちる
あなたの懐かしい声が
風に包まれて輝く
空が二人乗りの雲を造る
私に乗ってもいいよと声がする
時が止まろうとしている
長いとても長いあいだ
愛が形を変えようとしたけど
冬の夕焼けのように今日もまた
オレンジの雲に涙して
今は一人雲にのる
あなたがたぶん待ってるあそこまで
戻る 編 削 Point(0)