梅の妖精/
丘白月
一羽の鳥が
海をわたる
白梅の枝を咥えて
一つの花の
一つの種が
初めて見る森に宿る
一晩の雨が
根をつけた
風が根を強く伸ばす
白く小さく
可愛い花が
一人の魂に恋をする
毎日待った
毎晩夢見た
梅の妖精が大人になる
朝日の中で
散歩をする
愛した人を遠く見つめる
白い白い花が
赤く赤く熱く
紅梅の命が白梅に宿る
白い森が
紅白の山になり
いくつもの
ため息が生まれた
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