アネモネの妖精/丘白月
 
木立の枝に
雪が綿のように眠る
隙間から光がいくつも流れ
見上げる瞳に丸い虹がうかぶ

遠い宇宙に
星が生まれたよと
アネモネの妖精が教える
星の産声が聞こえたよと

遠い時間の
宇宙の暖かい片隅で
夢を見て恋を胸に抱いて
何度生まれ変われば逢えるのか

手編みの帽子に
雪が落ちて風が流れた
振り返って見てと妖精が笑う
渡せなかった言葉を何度も繋ぐ

長い長い言葉のリボンが
妖精が持ってくる風に乗って
ゆらゆらとあなたの心に掛かって
笑顔で私を見ている

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