セントポーリアの妖精/丘白月
 
長く学校を休んでいる
小さな女の子に
セントポーリアが届いた

白桃色と深い青
部屋の空気が
嬉しそうに動く

ベルベットが張られた
バスケットから
葉が溢れ花が揺れた

青い帽子の妖精が
ゆっくりと天井まで飛んだ
桃色の長い髪の妖精が
そっとベッドを見つめる

眠っている枕元に
双子の妖精は降り立ち
早く元気になりますようにと
目を閉じて祈る

妖精は知っている
この花を届けた少年の
花を選ぶ恥ずかしそうな笑顔を
遠い所から花を運んできた愛を

ずっと妖精は見てきたから
願いを知っているから
魔法を二つ持って来た

この子は雪のようだ
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