歩道の片隅にも季節は過ぎて/丘白月
歩道の片隅で汚れた雪が
恥ずかしそうに
早く溶けてしまいと言っている
子供が走りながら
雪を蹴ってゆく
綺麗な雪が陽を浴びる
ありがとうと言いながら
雪は溶けて消えた
枯れたススキの穂先にゆれる
綿毛のように白く
雪のような小さな種
誰も見ていない
誰にも聞こえない世界で
誰も気づかないうちに時は流れて
風が私にそっと季節の色を教える
秋の花が枯れて
冬の花につたえる
つぎはあなたの番よと
私は今夜
凍えるように震える星に
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