稲妻石/
Seia
こえなくなった
音をどこかへ忘れたまま
はじけるような
衝撃と光にわたしはうたれ
つつまれ
そして崩壊した
どこまでも落ちていく感覚に
身体全体が脈打ち
すこし熱くなりすぎたヒーターに
太ももを動かしたい気持ちでいっぱいだった
車内はとても静かだった
皆視線を下に落とし
自分を見ていたものはいなかったとして
それとは関係なく
恥ずかしさが徐々に湧いてきていた
眠気を泳ぎきったあと
ただ一瞬の痙攣に
おもわず足がつりそうだった
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