葉書の木の妖精/
丘白月
どれだけ眠っていただろう
首を横に倒した分だけ
太陽は枝の隙間を渡る
多羅葉の葉の匂い
胸に一枚置かれた言葉
ただひとこと妖精の文字
こんにちはと書かれていた
ありがとうと返事を葉に刻み
背中の跡に置いた
妖精の葉書を詩集の栞にして
続きを読みにあの森を探す
見えないけれど葉書で
思いを交換できる森を
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