花散里/梅昆布茶
花散里
僕の小さな世界史が
源氏物語だったら
次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない
僕は何に対して誠実だっただろうか
社会あるいは誰かに対して
少なくとも外宇宙に徴税吏はいないし
想像力を縛るものはないのだけれど
もしも流行作家ならば
締め切りと枚数に追われて
僕は何に対して誠実だっただろうか
社会あるいは誰に対して
家の仔猫が世界を認識してゆくように
ぼくもあらたに認識してゆこうと想う
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