花散里/梅昆布茶
 
花散里

僕の小さな世界史が
源氏物語だったら

次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない

僕は何に対して誠実だっただろうか
社会あるいは誰かに対して

少なくとも外宇宙に徴税吏はいないし
想像力を縛るものはないのだけれど

もしも流行作家ならば
締め切りと枚数に追われて

僕は何に対して誠実だっただろうか
社会あるいは誰に対して

家の仔猫が世界を認識してゆくように
ぼくもあらたに認識してゆこうと想う

















戻る   Point(9)