瞳/立見春香
 
度も会ってないのじゃった


まるで心を無くしてしまったみたいに
くるしんだよ

痛くて痛くて
なんども胸をかきむしったよ

なんにもやる気にならなくて
朝になってお日様が射しても
灰色の顔のまま
布団から抜け出せなかったよ

でもそれでも
あんな腐れ縁
続けていくよりかは
マシだと言われた気がしたので

お地蔵さまに

だから
信じたんだよ

わたしは体が小さい
小さくて
保護を求めているように
見られてしまう

おまけに心も小さい

そんなもの
どうでもいいというのに

わたしの瞳が小さいのは
大きな視野で物事を考えられないから
ほんと、
そんなもの、どうでもいいに
決まっているわ

決まっていると
思っているのに






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