梅の妖精/丘白月
 

ずいぶん待たせたね
傘に積もる雪
踏み固められた足跡
肩越しに白梅が夕日に染まり
タンポポの綿毛が息で溶ける

抱きしめてしまえば
肩に滑り落ちる雪
雪の中に春がいる
梅の妖精がかくれてる
誰もが誰かを待っている

ちぎれた雲が降るように
千鳥の群れが入江に帰る
紅梅の妖精は夕日生まれ
朝日に生まれた白梅探してる
遠く揺れる潮騒を聞きながら


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