フラグメンツ カタログNo.1〜30/AB(なかほど)
スーツの僕らが
いくら歳を重ねても忘れないように
変わらず
26
復帰から二年
島が翌年の海洋博で昂っている頃です
今ではもうムイ自体なくなりました
27
ようやく腰を上げた門番は無精髭でにこりとして
十二番目の石から昇る昼と夜のことを詠いはじめた
今も続く詩を
28
お婆のつぶやくような
いくつものおまじないの声に
耳を澄ませていた
29
笛の音
振り返るばかりの僕には
聞こえず
30
ほんとにうごかなくなるまで
みてきたいんだけど
ねむってきてもいいかなあ
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