戯れ言と云われても/涙(ルイ)
 
いた あの時代


それでも それでも
口をついて出てくるのは


幸福になりたい


ただ一点だけだったのです


私の青い鳥は一体どこをほっつき飛んでいるのでしょう


頭上ではさっきから
バカァバカァと烏が啼いています


幸福になるには努力も必要
解っています
ごもっともです
ぐうの音も出ません


そうなるようにしてこなかった
自分が一番悪いんだって


好きなひとに嫌われるのが怖かったから
心を閉ざしてとじ込もって
ひとりなら淋しささえも知らずにすんで

どこへでも行けたはずなのに
興味あること以外なにもしなくて

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