201912第二週詩編/ただのみきや
 
れたでもめていた 窓の外では
眼帯をした金糸雀がシャンソンを歌っている 同じころ
心中しようとした恋人たち
死に方を巡る口論の挙句男は女を殺してしまう
けれど気取り屋詩人の相手は妄想だから毎度 同じこと



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眠らなくなった人は起きたまま夢を見る
世界は自己の投影
出来事はその迸る流出
自我は謎を解くため理不尽へと挑み
結局は予定調和的回答へと誘われる
割り切れなかった苦い端数を欲求へ変換できれば
原動力とまではいかないが
半歩先の生まで視線は留め置かれる



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その器も あの器も あふれるばかり

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