流れ星/ミナト 螢
 
ゴムホースの中を夜が通るなら
瞳が導く星の世界に

強い力が泳がせる先端を
ロケットみたいにゆらゆらさせて

空を飛ぶより早く見せてくれた
あの光はまだ帰らないけれど

瞳の周りを腫らすほど
小さなレンズに抱えた思いが

透明を無くす時が来るまで
望遠鏡は欲しいと言わない

心で見ている惑星の明かり
森も眠ってはいられなかった

水を流したゴムホースに
星が積もっても朝は来るのかな
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