201912第一週詩編/ただのみきや
 
 *

終りのないものの終わりを決める
生きることは括り閉じることの繰り返し

言葉に置き換えられた
かたちのないものが夜うっすらと発光する
夏の夢の欠片が螢なら

抗うことを止めた仮初の詩体から
ゆらりとした無言のほのめかし

区切りの無いものに区切りをつける
巡り繰り返すものの法則を探しながら

生と死の尺に無限を掛る
すべて言葉に置き換えて
粗悪な複写を加速させる

見出されたものはすべて捏造されたもの

不死の蝶の虹色のエントロピーを
延々と見つめる露光時間




 **

淡いものが降り積もり
爛れた思路を慰める

冷やか
[次のページ]
戻る   Point(11)