カナリアの唄/もっぷ
ールすら無かったね
――あの娘 本当は知っていた
自分が何の子どもかを
ずっとずっと秘め続け でも
嘘に塗れ(まみれ)も疲れ果て
それでもこれが「幸せ」かしらと
信じてお芝居続けていた
いつかは下りる幕の下で
あの娘 ついに演じ切った
舞台は終わり そして
カーテンコールは無かったね
君への拍手 皆無だったね
せめて僕にできることは
君の本当の唄 歌うことくらい
あの亜麻色の唄 歌うことくらい
君が「舞台」で歌いたかった あの唄を
あの亜麻色の唄を 歌うことくらい ・・・
戻る 編 削 Point(0)