数珠の詩/ミナト 螢
消えてしまえと蹴飛ばしたままの
不揃いな石が僕の過去なんだ
尖ってばかりで角が取れずに
哀しみを包む言葉を待ってる
悪いなさっきは痛かっただろう
これあげると言って被せた帽子は
数珠のように繋ぐ黒い頭が
君を見て一度だけ飛び出した
伝わったと思わせていてくれた
ライトの点滅を数える心が
ペタンコになって帰ってくるまで
目を伏せたから覚えていなくちゃ
どんな形でも意思を持つことで
この重たい手首に巻きつける
時間の歪みは戻らないけれど
カレンダーを破り白く着替えた
未来の行列に僕も並ぼう
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