海岸の妖精/丘白月
 

冬の晴れた黄昏の海
彼の足元に波が打ち寄せる
私は背中に耳をあてる

このまま背中に溶けてしまいたい
おんぶされて見る景色は
夕日の味がした

並んで飛ぶかもめが聞く
「ついてくるかい?」
「いいわ羽根になる」と答えた

愛する人の羽根になって
どこまでも飛んで行きたい
もう脱いだ靴はいらない

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