世に棲む日々/日比津 開
 
のどこに春夏秋冬が
あったのかと疑い、慟哭してしまう

結局、世に棲む日々は誰にとっても
一瞬で儚いものなのかも知れない
誰が死んでしまった後でも
ときは止まらず、絶えず流れて
すべての人の一生を
遠い過去に押しやっていく

私はいま人生のどの季節にいるのか?
次はいつ、どのような世に棲むのか?
楽しみでもあり、不安でもある
願わくば人生の春夏秋冬に
たくさんの実りがあれば良いが
例え秋に収穫が少しもなくとも
冬を淡々と迎える用意はできている

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