限りなく光速に近い静止/紫音
に写るシルエットだけになった古木から伸びる影に消された記憶の断片をあるはずのない機械のメモリーにバックアップを取り全てを消去してボクが消えてしまえるなら手のひらに乗るほど小さい小瓶から眩し過ぎる鮮やかな緑色をしたハーブの香りに包まれてこのモノトーンの三次元の中に異質なネオンとして残して置くことで無意味な秩序に異質の波紋を刻んで生の証にするのも悪くないかもしれないといつの間にか感傷が再起動してしまう哀しい勝手に流れる真っ赤な血潮と不規則な脈動を痕跡にして朝が来るのを待つでも望むでもなく迎えてしまうボクは死んでいるようで生きているようで今日も終わりいつの間にか眩くも居場所がない都会に沈んで埋もれて見分けがつかなくなっていく遺すことも語ることもなく空白の過去になるこの日常の透明感
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