碧い鴉の赤い十字架/アラガイs
りだね。驚いたよ。)暗い胸のうちを隠し精一杯の笑みを浮かべて声をかけた。
白い首筋から胸元へ、直角に曲がる十字架。あの赤い少女は大人の女性になっていた。
(え?どなた、ああ、、、確か、ああ、そうか、!
、あのぅ、すみませが、後ろに並んでお待ちくださいますか、、)
わたしはどうやら恥をかいてしまったようだ。無信心者には二度ある恥を、
何事もなかったことにして、ぐるぐると廻る白い天井を見あげる。
仕事にあぶれた人々の影が今日も行き交う街
夕暮れになれば、また鴉が鳴きはじめた。
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