秋の果実/服部 剛
 
優しい声が届かない夜は
深層意識の土に立つ
一人の木をみつめます

夕陽をそそがれながら
ひとつずつ実りゆく言葉の果実は
あなたの部屋に届くでしょうか

この道は哀しみだけで終わらず
静かに熟れる秋の季節を
ゆっくり歩む心は知るでしょう 

やがて幸いと哀しみは 
光を宿す
ひと滴の涙になる 





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