かぎ編針で刺す/田中修子
名付けるのは、祈りでしょうか?
ちい・ちい・ちい、あめゆじゅとてちて-あめゆじゅとてちて
あなたは、またきた、
いつまでもここにきた。いつだっていつだって、天にいかずに。ちえこや、としこや
ほうこうする四つん這いの、愛を乞うあまりにも薄い色の塔を浸食する
舌
首輪・ひとつふたつみっつ 輪投げして
ね、わらって-風が 過ぎ去るように わらって
振り返って御覧なさい。そこにたくさんの毀れた道が、ありました。あなたはそこを通ってきたのですね-崩落しないように
もう二度と、あの、花咲く石のアーチの橋が
落ちること
ないように
みいつけた。ほんとうはうずくまって、おふとんのなかでちいさくなってふるえているだけ。きたないものはよらないでねっ あはははは! おねがい、さわんないでちょうだい!
とりのこされて生きてきたからね、これからもね、白い雪はよごれて溶けて、とうとうと、とうとうと、春の桜の流れるひ、まで
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