海月夜/
ミナト 螢
海に浮かんだ
満月は臨月
その膨らみを
我が身に重ねて
呼ばれてもいない
暗闇の中で
下着をはみ出す
肉を震わせた
逞しくなれよと
言われながら
大きくなったのは
随分前だ
君を育てるための
隠れ家なら
もうすぐ壊して
出て来るんだよ
その泣き声は
全てに勝てるから
潮風の匂い
ここまで飛ばせば
耳たぶがまた
熱くなるね
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