空から落ちて来る雨に/la_feminite_nue(死に巫女)
者が神に代わって啓示をする。
それを真実だとわたしたちは思うように慣らされ、
それを諦めるようにと訓練されていく。
ただ今夜は、
どうかこの雨が少しでも少なくあればいい。
それが幾千、幾億の粒子であろうと。
今日を希望で照らしてほしいわけでもなく、
今日の絶望から抜け出したいわけでもない。
ただ少し、今日のこの不安を減らしてほしい。
わたしは空から落ちて来る雨に、
何粒の水素が含まれているかなんて知らない……
戻る 編 削 Point(3)