夏がくれたもの/ミナト 螢
 
破れたジーンズを
めくる風だった

膝の頭を
この世に覗かせて

撫でられるのか
食べられるのか

分からないまま
アップリケをした
人を笑った

何が怖いの
誰の真似なの

いつかはきっと
こんな気持ちさえも
どこかへ捨てる
つもりでいたのさ

ジーンズの穴に
届く荷物だった

麦わら帽子に
隠れた膝なら
日焼けもせずに
思いだけ焦がそう
戻る   Point(0)