ハロウィーンの妖精/丘白月
 

大きなカボチャは悪魔の顔
蝋燭が入れられ魂が灯る

生き返るカボチャに
子供の呪文が夜通し掛かる
黒猫たちのパーティーに
妖精のキャンディーが配られ
前夜祭が始まる

今はもういない魂と逢える日
今夜だけ扉が開かれ
いくつものキスが交わされ
遠くに見える夢の国へ
手を取り合って歩いて行く

何も怖くないよ柔らかな世界
そこで千年過ごして
明日には戻ってくるよ

妖精が門を飾る冬のバラに
笑って座りボンボンを
手渡してくれる

食べたらもう振り向かない
長くてあっという間の旅へ



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