一度や二度は/こたきひろし
 
の中
狭くてさちいさいんだよ
かび臭くもなるし

顔も姿もみっともなくてさ
鏡を見るのはダメなんだ

異性を前にすると緊張して言葉が
出てこなくなってしまうしさ
キモい部類の男さ

そんな男が詩なんて書いてるんだぜ
何処にも逃げ場がなくて
必死に救いを探してるみたいに

誰かに読んで欲しくてさ
そしておんなじように
苦しみもがいてる
誰かの詩に触れてみたくて

痛みを共有したいんだよ
自分だけじゃないんだって

詩の魔法にやられている
同胞として

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