ルーブル美術館の妖精・その2/丘白月
パリの妖精
第12話「ルーブル美術館の妖精」つづき
毎日エントランスで待つ
あの人が来ないかと
マドモアゼルに手をひかれ
ブロンドの巻き毛の子が
キョロキョロして入って来る
見上げた時ドキッとした
私と目があった?
あの子の前世はあの人なのか
魔法の水晶を覗いてみる
でも分からない
あの子の肩に思い切って
止まってみる
気づかない
話かけてみる
返事がない
でもあの子は
あの人の誕生日にやって来た
そしてあの人の一番好きな絵を
私は泣いた
涙が枯れるほど
ああ何百年ぶりだろう
あの人に逢えた
なんと懐かしい魂だろうか
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