時計草/
丘白月
砂子で宇宙を描き
夜の卵を割る
月が生まれ
時計草の秒針が
眠れない想いを
刺して蒐めて
美しい言葉に並び変える
砂子の料紙に
時計草に似た太陽と
妖精の詩が刻まれる
戻らない針を森に見つけた時
私はまるで銅像のように
立ち尽くしていた
風がめくる料紙の音だけが
体中に響いていた
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