せ/田中修子
あかやあ きいやあ きんいろやあ
愛を暗示されれば
とは、なんだ、とは、なんだよ おい だれか、
あつい、朱金の星が宿る
遠吠えを、したらいいわね
韻がおしまいになる前に まだいるの だれかいるの
仕方がないので
夜には四つん這いになりましょう
そうして梨を齧るように眠る
心ゆるび
痙攣する瞼のしたの眼球 が 透いて
みられてる 夢をみている わたしが
口腔を柔らかくあつい舌でなぞられるように
あなたにみられている
「大切なものはいつか、かならず終わるでしょうね。」
「終わらせたくないもの、ばかりだね。」
妹になるわ
おもいきり噛まれたあと
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