何も分からないがある/カッラー
 
蜘蛛のように
歌うように
少ない匂いを手に取りながら
分けるゆくえを
春に放つ

色を触ったら
どこを見渡しても花火はないのに
花火になった
よく見たら花火ではなかった
だがそれを花火だと信じる子供
ただ水だけを求めて

咲いたらいけない花が
咲き続ける花を羨む
道にのみ咲く花
望遠鏡で見る花

なんてことない橋を
偉大だと思い込む
偉大すぎる橋を
けなしてゆく

生まれたこと
触ったこと
ただあるのは
何もないということを
忘れたことだけ
もう何も分からなくなっただけ

ここにあるのは
石ばかり
石さえもない
もう分からない











戻る   Point(4)