22年間 詩なんてものは書いたことなかった/
 
汚い言葉を持ってくればウケがいい、だとか 意味不明な言葉の羅列で格好良いと判断される、ということだけは理解していた。

後輩が学校帰りの私のところへ走り寄ってきて
「先輩の書いた作品、感動しました」
なんて馬鹿げたことを平気な顔して言っていた。

 「詩なんてものは22年間書いたことなかった、というのは嘘だ」

詩を書いたのはその時が初めてだった。
正確には 「詩」ではない。
ちゃんと作品として書いた「詩」ではない。
しかし「詩」と判断された。

 「詩という表現を今までとらなかったというほうが正しい」

私はそのわずか5年後に「詩」を書きたい、と思うようになった。
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