剥離/両性具有
 
ああ
ぼくの心はまるで子どもだ
楽しみが近づいてくると
待ちきれず眠りも忘れそうになる
いざ眠ればそれを夢見る始末
そうなれば
忘れてはならない言いつけも
遊び飽きたボールのように
心の部屋の隅に転がしっぱなし
ああ、ぼくの心は
いつまでも成長しない子どものようだ

ああ
ぼくの心はまるで子どもだ
雨の日にかぎって外に出たくなる
水たまりの泥を歩きたくなる
真夜中に誰かと話したくなる
話す人はおらず
話すことも何もないのに
喉の奥の
薄い表皮を無理やり削るように
何かを吐露したくなる

さびしさを紛らわせよう
ひとりで紛らわせよう
誰の手も借りずに
ひとりで紛らわせよう…
そう固く誓うはずも
最後には君の心と体がほしくて
たまらなくなる
そのあげく眠りを忘れて
いざ眠れば君を夢見る始末

ああ
ぼくの心は
同じ間違いを永遠に繰り返す
子どもの小さな箱庭だ

戻る   Point(1)