麦畑/両性具有
 
静かな雨の降る
6月の昼下がりに
僕は
刈り入れの終わった麦畑を眺めている

憤怒と月光を
まき散らした昨夜の嵐が
懺悔に滴らせる涙のような
そんな雨だ
その滴を受けとめ濡れた
やさしい乙女のような麦の穂は
いなくなりただ
僅かばかりの慰みに
蛙が歌うばかりだ



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