托卵/両性具有
 


有精のそれがこの体に宿った夜
わたしは
高い梢に身を寄せう番のコマドリを
ヤドリギの茂みから見つめていた
無垢で美しい二羽の囀りが
森の向こうへ遠のいてから
わたしは
花落ちた虚ろな苞に
雪のように白い繭を編んだ
それから
幹をよじのぼった八つの足を捨てて
捕らえた蝶の翅で飛び立った

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