《繭》/ハァモニィベル
 
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掌のうちに、唇の奥に、自分を殺したきみ、ぐしゃぐしゃになって、ギイギイと揺れ始めてからもずっと……、ずっと、ずっと、沸き起こる渦のなかを飛行するわたし、刻と刻を繋いでいく刺の先にだけ在る希望が、畝る海のように幾重にも畳まれたまま、深層の匂いの中で、また蛹のように絹の柩に包まれている





掌のうちに、唇の奥に、

自分を殺したきみ

ぐしゃぐしゃになって、

ギイギイと揺れ始めてからもずっと……、

  ずうっと、ずっと、沸き起こる渦のなかを

飛行する私


  刻(とき) と 刻(トキ) を


繋いでいく刺(とげ)の先にダケ在る希望が、

畝(うね)る海のように

幾重(いくえ)にも畳まれたまま、


  深層の匂いの中で、また

蛹(サナギ)のように  絹の柩(ひつぎ)に  包(くる)まれている





掌のうちに、唇の奥に、………






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