春の神/st
春の神はいそがしい
あるときは冬の姿になり
次の日には
夏の暑さを装う
雪どけの水に
色あせた枯葉たちを
はこばせ
恋人たちに 別れた秋を思いださせる
冬鳥たちが去ったあとに
はなやかな花ばなのリレーのピストルを撃ち
桜が咲くころになると
南から
数え切れない鳥たちを渡らせ
オオタカの子育てもはじめる
バードウォッチャーに
山奥へ行かないとみられない
めずらしい鳥たちを
街中でみせ
バードウォッチャーを喜ばせる
やる事が多すぎて あわただしく
疲れがでてきたのか
春の神はそろそろ
天空へ去ろうとしているようだ
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