のんべんだらり/帆場蔵人
 
夢みつつ、ひとつふたつ
昼間から夢ばかり数えて
そんなあなたには猫だって
退屈を噛み殺しているわ

そんな皮肉にもぼくというやつは
こたえもせずに退屈ってのは
どんな味がするんだい、と
猫にきいてしたたかに顔を掻かれて
本当に仕方ない生き物であるが
詩人がのんべんだらりとしている
世間の方がきっと幸せだろう

夢みつつ、ひとつふたつ
そんな生活を夢見ながら
額に玉の汗掻いて
たまの休みに
また猫に顔を掻かれて
呆れられていたいのだ

なぁ、猫よ、おまえは虎に
なりたいのかね、おまえの
夢もひとつふたつと数えてみたい

夢みつつ、ひとつふたつ
きりがない、きりがないから
楽しいのだろう、なぁ、猫よ

のんべんだらりのんべんだらりと
いきていきたいのだよ
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