挽歌/葉leaf
北はいつでも輝かしかった。
底のない川に沈んでいくことが人生だとすれば、君をさらっていった川は今でも僕のすぐ脇を流れている。君がうずもれていく川に僕は何度も手を差し入れ足を踏み入れた。だが僕には僕の川があり、僕が沈み込んでいく川の行き先はまったく違った国土に属していた。僕と君とは人生の国籍が異なっていた。
君の人生を比喩することは完全に無効であるが、だからこそ君の人生は比喩でしか語れない。君は審判に敗北して、人生の川を無限に落ちていった。君の生まれた町は唯一ここしかない、そして君の刻んだ悲しみは僕を絶えず糾問してやまない。君の生まれた町で僕は君の敗北にいつまでも復讐し続けなければならない。
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