なつぐも 他二篇――エミリ・ディキンソンの詩篇に基づく(再掲)/石村
 
ば、それは偏にディキンソンの無比な詩魂の美しさと詩想の霊妙によるものであり、不満や違和感を覚えるとすればそれは偏に筆者の菲才と不徳の致す所で、原作には何の関はりもないといふことを予めお断りしておきたい。なほ、読者諸兄の便宜を考慮して各篇の末尾に原詩を引用した。ディキンソンの元の詩篇にはいづれも題名がなく、冒頭の一行の引用で識別されるのが慣例である。また、熱心な研究者諸氏による忠実な訳詩集や対訳詩篇も数多く刊行されてゐるので、ディキンソンの作品に関心を抱かれた方はぜひさうした作品集を繙いて頂きたい。}

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