十五年前の君へ/
服部 剛
に
伝えたい/伝わらない
僕が見る、君の姿は透けていて
君が見る、僕の姿は透けている
から
伝えても、伝えても
硝子(ガラス)の壁のパントマイムになる
から
僕は只、信じることにする
十五年前の
青臭くも懐かしい君の
どしゃぶりの雨を潜り抜け
泥濘(ぬかるみ)にハマりながらも
日々の晴れ間を
求める瞳
今・ここで待っている僕と
遠い道を歩いて来る君が
ひとつの
鼓動を始める
その日まで
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