仮面の下の倒錯/viraj
 
諸仏のおわします、ダイアモンドの如く不壊なる女陰に敬礼!

赤い、嗚呼、なんて赤いんだ。

あの夕日は、涅槃に達する直前の空即是色の色だ。

赦しの夕日。

全ての女に落ちているあの暗黒の女神の影。

僕は、もとよりかくことなどない。

ただ、人生を一生懸命生きて、それが成長につながっているだけだ。

成長とは、ある規範などを習得して社会に順応することではない。

成長とは、自我の脱落、すでにそうであった原初へと帰ることである。

家が見える。

帰ってきたんだ。

花は満開だ。

ただ、客体のみが意識を閉め、悲しみの終焉がそこにはある。

二元
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