青色吐息の彼女の日常/秋葉竹
氷の心臓を熱に変えて
だんまりを決め込む不甲斐ない怠け者
いちにちかけても
青色吐息交じりの追跡劇となる彼女の日常。
想像した光の都の街灯は
やがておもむろに消えゆく眼帯の人の
心からの優しい電話を受けて
死んでしまった、って知ったのです
それを日常的に経験して
そんなものなのだと思うと
裏山にも
日々散歩する川沿いの遊歩道にも
春の花が咲き始め
風の音が午後の日射しとともに輝くと
立ち止まってみている
あなたの顔までしっかりと
見つめていないと
溶けてしまいそうだ
世界には他人はいないという幻想と共に、
幸福にするという空虚な星々の約束は
光の都に振りしきるから。
光の粒の幸福を集める優しげな仕草も
わけのわからない、
奇跡を起こす手段の反復でしかない。
「そんな日常……」と
青色吐息の彼女は言うけれど─────
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