青色吐息の彼女の日常/秋葉竹
 

氷の心臓を熱に変えて
だんまりを決め込む不甲斐ない怠け者
いちにちかけても

青色吐息交じりの追跡劇となる彼女の日常。

想像した光の都の街灯は
やがておもむろに消えゆく眼帯の人の
心からの優しい電話を受けて

死んでしまった、って知ったのです

それを日常的に経験して
そんなものなのだと思うと
裏山にも
日々散歩する川沿いの遊歩道にも

春の花が咲き始め
風の音が午後の日射しとともに輝くと
立ち止まってみている
あなたの顔までしっかりと
見つめていないと
溶けてしまいそうだ

世界には他人はいないという幻想と共に、
幸福にするという空虚な星々の約束は
光の都に振りしきるから。

光の粒の幸福を集める優しげな仕草も
わけのわからない、
奇跡を起こす手段の反復でしかない。

「そんな日常……」と
青色吐息の彼女は言うけれど─────









戻る   Point(7)